2019/10/02
イベント
レッスンレポート 「ELECTRIC BASS SPILITS」Vol.4
東京・神田のStudioBpm.-kandaの恒例イベントとなった、シーナ&ロケッツ・奈良敏博氏を迎えてのベースレッスン「ELECTRIC BASS SPILITS」Vol.4が、9月26日に開催された。
冒頭、奈良氏は、
「これまでの3回は助走期間。今回はうまくなるためのヒミツを伝えますね」
と、笑いながら話した。
その言葉通り、第4回目は非常に内容の濃いレッスンとなった。
1曲目の練習曲はシナロケの「GAMES FOR GIRLS」。
イントロからAメロ、Bメロに続くベースラインを受講者に反復練習させながら、奈良氏はピックの持ち方や、アップダウンの順番についても懇切に説明。受講者が一通りマスターすると、今度はこう話す。
「メロディが変わるときに、軽くミュートするんです。それで次の音に移るとスムーズに変調できます。どうしても前の音が残ってしまって共鳴してしまうのを、ミュートすることで抑えるんですね」
軽い調子のアドバイスだったが、この指摘がレッスン後半に効いてくる。
2曲目はボニーMの「SUNNY」。
前回レッスン同様、奈良氏の指示で、同スタジオスタッフでもあるドラマーの的場氏が、サポートとして参加する。
ここでも奈良氏がいう。
「楽譜の上では、単純にダ・ダ・ダ・ダ/ダ・ダ・ダ・ダという、4音の繰り返しですが、この第1音目のまえに小さく『タタッ』とカラの音を2つ入れてやるんです。すると、リズムに弾みが付いてきます」
実際に弾いてみた受講者が目をみはる。リズムが格段に深みを増すことを実感したようだ。
しばらく同じフレーズをくりかえしながら、ドラムとともに奈良氏が同じフレーズでリードする。そのうち、ドラムと受講者のリズムをよそに、奈良氏がベースで主旋律を弾き始めた。奈良氏のベースが弾むような旋律を奏でるため、ドラム+ベース2本の編成なのにもかかわらず、ドラム+ギター+ベースのバンド編成と錯覚を覚えたほどだ。
見学者もその音に陶酔していく。
3曲目はビートルズの「オブラディ・オブラダ」だ。
まず奈良氏は、
「ダ~ダダ、ダ~ダダのリズムのうち『ダ~』の部分で左手をスライドさせます」
と、スライド奏法の練習を指示する。
受講者の進みを見つつ、今度は第1音目の前に「カラの音」を1音入れさせる。続いて、2音、3音と「カラの音」を増やしていく。さらには、2音目と3音目の間にミュートをいれて、さらにリズムに弾みをつける練習だ。
受講者はついていくのに必死だが、それでも延々と繰り返すうちに、なんとかサマになってくる。
そのうち受講者は混乱してきたのか、何音目にミュートを入れるのか分からなくなったようで、音に乱れが生じてきた。それをみたドラムの的場氏が、ミュートの入るべき個所でバスドラをいれてアクセントをつけてくれる。同時に奈良氏も、先ほど同様、ベースで主旋律を弾いて、受講者のリズムをサポートする。
なんと豪華なレッスンだろうか。レッスンでありながら、また同時にセッションでもある。見学者はもちろん、受講者もこれには気を入れざるを得ない。
一連の練習後には、3者の音が見事に調和してくるのが不思議なほどだ。
その後、練習曲はカントリー風、ウェスタン風と趣向をかえて続いた--。
最後に奈良氏がこう話す。
「今日は『カラの音』を入れる練習をしました。こういう“隠し味”を入れることでリズムがグッと締まってくる。もちろん、楽譜に書いてあるわけではないので、自分のフィーリングで入れていくしかない。かといって、“隠し味”をむやみに入れても効いてくるわけでもありません」
たしかに、“隠し味”を入れるタイミングは難しそうだ。
でも、と奈良氏は続ける。
「こういう“隠し味”をいくつか持っていると強いんです。同じリズムのなかに変化を入れたいときとか、より弾みを入れたいときなどに効果が発揮されます」
これぞ生きたレッスン――。
すぐにも使えそうなテクニックに、受講者も見学者も酔いしれたようだ。
※次回レッスン詳細はこちら
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冒頭、奈良氏は、
「これまでの3回は助走期間。今回はうまくなるためのヒミツを伝えますね」
と、笑いながら話した。
その言葉通り、第4回目は非常に内容の濃いレッスンとなった。
1曲目の練習曲はシナロケの「GAMES FOR GIRLS」。
イントロからAメロ、Bメロに続くベースラインを受講者に反復練習させながら、奈良氏はピックの持ち方や、アップダウンの順番についても懇切に説明。受講者が一通りマスターすると、今度はこう話す。
「メロディが変わるときに、軽くミュートするんです。それで次の音に移るとスムーズに変調できます。どうしても前の音が残ってしまって共鳴してしまうのを、ミュートすることで抑えるんですね」
軽い調子のアドバイスだったが、この指摘がレッスン後半に効いてくる。
2曲目はボニーMの「SUNNY」。
前回レッスン同様、奈良氏の指示で、同スタジオスタッフでもあるドラマーの的場氏が、サポートとして参加する。
ここでも奈良氏がいう。
「楽譜の上では、単純にダ・ダ・ダ・ダ/ダ・ダ・ダ・ダという、4音の繰り返しですが、この第1音目のまえに小さく『タタッ』とカラの音を2つ入れてやるんです。すると、リズムに弾みが付いてきます」
実際に弾いてみた受講者が目をみはる。リズムが格段に深みを増すことを実感したようだ。
しばらく同じフレーズをくりかえしながら、ドラムとともに奈良氏が同じフレーズでリードする。そのうち、ドラムと受講者のリズムをよそに、奈良氏がベースで主旋律を弾き始めた。奈良氏のベースが弾むような旋律を奏でるため、ドラム+ベース2本の編成なのにもかかわらず、ドラム+ギター+ベースのバンド編成と錯覚を覚えたほどだ。
見学者もその音に陶酔していく。
3曲目はビートルズの「オブラディ・オブラダ」だ。
まず奈良氏は、
「ダ~ダダ、ダ~ダダのリズムのうち『ダ~』の部分で左手をスライドさせます」
と、スライド奏法の練習を指示する。
受講者の進みを見つつ、今度は第1音目の前に「カラの音」を1音入れさせる。続いて、2音、3音と「カラの音」を増やしていく。さらには、2音目と3音目の間にミュートをいれて、さらにリズムに弾みをつける練習だ。
受講者はついていくのに必死だが、それでも延々と繰り返すうちに、なんとかサマになってくる。
そのうち受講者は混乱してきたのか、何音目にミュートを入れるのか分からなくなったようで、音に乱れが生じてきた。それをみたドラムの的場氏が、ミュートの入るべき個所でバスドラをいれてアクセントをつけてくれる。同時に奈良氏も、先ほど同様、ベースで主旋律を弾いて、受講者のリズムをサポートする。
なんと豪華なレッスンだろうか。レッスンでありながら、また同時にセッションでもある。見学者はもちろん、受講者もこれには気を入れざるを得ない。
一連の練習後には、3者の音が見事に調和してくるのが不思議なほどだ。
その後、練習曲はカントリー風、ウェスタン風と趣向をかえて続いた--。
最後に奈良氏がこう話す。
「今日は『カラの音』を入れる練習をしました。こういう“隠し味”を入れることでリズムがグッと締まってくる。もちろん、楽譜に書いてあるわけではないので、自分のフィーリングで入れていくしかない。かといって、“隠し味”をむやみに入れても効いてくるわけでもありません」
たしかに、“隠し味”を入れるタイミングは難しそうだ。
でも、と奈良氏は続ける。
「こういう“隠し味”をいくつか持っていると強いんです。同じリズムのなかに変化を入れたいときとか、より弾みを入れたいときなどに効果が発揮されます」
これぞ生きたレッスン――。
すぐにも使えそうなテクニックに、受講者も見学者も酔いしれたようだ。
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