2020/01/04
イベント
レッスンレポート 「ELECTRIC BASS SPILITS」Vol.7
奈良敏博氏(SHEENA & THE ROKKETS)によるベースレッスン「ELECTRIC BASS SPILITS」の第7弾が、StudioBpm.-kandaにて12月28日に開催された。
年内最後のこの日、奈良氏がテーマをこう切り出した。
「相手の音を聴いて弾く。これを今回はやっていきましょう。黒人音楽を題材にするので、ちょっと難しいかもしれませんが、多少ズレたり、遅れたりしてもかまいません。とにかく相手に合わせるよう心がけていきましょう」
これも奈良氏のレッスンの特徴だが、レッスン中に課題とされる曲は奈良氏がその時思いついたフレーズなのだという。その日のメンバーを見て難易度を設定し、それにあった曲を課題曲とするというのだ。
この日はまずEm7(Eマイナーセブン)からはじまるフレーズが課題とされた。受講者を2つに分けて、一方には基本となるフレーズを弾かせ、もう一方に半拍遅れて入るフレーズを指示。まったくリズムの違う2つのフレーズが順番に奏でられ、当初は不協和音にしか感じられない。
「よく聞いて! 合わせるように!」
奈良氏の指示が飛ぶと、受講者たちはたがいに足でテンポを取りながらそれぞれのフレーズを繰り返す。
それが数分繰り返された後で、
「では、合わせてみましょう」
すると受講者の一方が「ワン、ツー、スリー、フォー」と自発的に声をだしてカウントを取り始める。やはり最初はリズムが合わずに苦労していた受講者たちだが、延々繰り返していた受講者たちの2つのフレーズが、あるときを境にピタッと重なりあったのだ。
ひとつクリアしたと思うと、さらに奈良氏は同じフレーズに別のフレーズを足したり、間に小刻みな音を追加していく。当初は不協和音が奏でられ、数分の練習時間を経て、合わせ、さらに別のフレーズにチャレンジする――それが何度も繰り返されていく。
途中、1弦と2弦の和音を指示した奈良氏が受講者にアドバイスを飛ばしていた。
「あなたの和音は、人差し指と中指で奏でている。それだと、今回のフレーズのように速くなると、ついていけない場合が出てくる。だから親指と人差し指で和音を奏でる方法を覚えた方がいい。それを場合によって使い分けるんです」
指示された受講者は、親指と人差し指での和音奏法に違和感を覚えていたようだが、
「これは目からウロコでした。たしかに親指と人差し指で弾く方がやりやすい場合があることを知りました。まだ慣れてないけど、家に持ち帰って練習してみます」
徐々に複雑になっていくフレーズにチャレンジしていく受講者たちは、最後にスタジオ・スタッフでもあるドラマーの的場誠也氏が参加したフレーズに挑戦。
基本リズムを担当する受講者は半拍遅れてベースがはいってくるとつられてしまい、裏を取る側の受講者もドラムが入ってくるとつられてしまう…。なんとか修正しようと必死に合わせる受講者だが、運指の複雑さになかなか音に乗れず、結局はうまくシンクロせずにレッスン時間終了となってしまった。
奈良氏が笑いながら、受講者たちにこう話す。
「気持ちよく終われるレッスンばかりじゃありません。できなかったら、レッスン内容を思い出しながら必死に練習して、次回リベンジする。次につながるレッスンだったと思ってください(笑)」
ある参加者がいう。
「今回は悔しさの残るレッスンでした。フレットをおさえる指を見たり運指に気を取られているとなかなか合わなかったものが、延々繰り返して疲れてきて、もうどうにでもなれと思って意識が指先から離れると、不思議にリズムが体に入ってくる。ようやくそこまできたのに、最後はドラムが入って感覚がくるってしまいました。いま自分がどこを弾いているのかさえ分からなくなりました…。実際、ライブの現場に立つとこうなるんでしょうね。そういう意味でも、非常に勉強になりました」
失敗から学ぶのも大事なレッスン--。奈良氏の実践的レッスンならではの教訓だろう。
※次回レッスン詳細はこちら
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年内最後のこの日、奈良氏がテーマをこう切り出した。
「相手の音を聴いて弾く。これを今回はやっていきましょう。黒人音楽を題材にするので、ちょっと難しいかもしれませんが、多少ズレたり、遅れたりしてもかまいません。とにかく相手に合わせるよう心がけていきましょう」
これも奈良氏のレッスンの特徴だが、レッスン中に課題とされる曲は奈良氏がその時思いついたフレーズなのだという。その日のメンバーを見て難易度を設定し、それにあった曲を課題曲とするというのだ。
この日はまずEm7(Eマイナーセブン)からはじまるフレーズが課題とされた。受講者を2つに分けて、一方には基本となるフレーズを弾かせ、もう一方に半拍遅れて入るフレーズを指示。まったくリズムの違う2つのフレーズが順番に奏でられ、当初は不協和音にしか感じられない。
「よく聞いて! 合わせるように!」
奈良氏の指示が飛ぶと、受講者たちはたがいに足でテンポを取りながらそれぞれのフレーズを繰り返す。
それが数分繰り返された後で、
「では、合わせてみましょう」
すると受講者の一方が「ワン、ツー、スリー、フォー」と自発的に声をだしてカウントを取り始める。やはり最初はリズムが合わずに苦労していた受講者たちだが、延々繰り返していた受講者たちの2つのフレーズが、あるときを境にピタッと重なりあったのだ。
ひとつクリアしたと思うと、さらに奈良氏は同じフレーズに別のフレーズを足したり、間に小刻みな音を追加していく。当初は不協和音が奏でられ、数分の練習時間を経て、合わせ、さらに別のフレーズにチャレンジする――それが何度も繰り返されていく。
途中、1弦と2弦の和音を指示した奈良氏が受講者にアドバイスを飛ばしていた。
「あなたの和音は、人差し指と中指で奏でている。それだと、今回のフレーズのように速くなると、ついていけない場合が出てくる。だから親指と人差し指で和音を奏でる方法を覚えた方がいい。それを場合によって使い分けるんです」
指示された受講者は、親指と人差し指での和音奏法に違和感を覚えていたようだが、
「これは目からウロコでした。たしかに親指と人差し指で弾く方がやりやすい場合があることを知りました。まだ慣れてないけど、家に持ち帰って練習してみます」
徐々に複雑になっていくフレーズにチャレンジしていく受講者たちは、最後にスタジオ・スタッフでもあるドラマーの的場誠也氏が参加したフレーズに挑戦。
基本リズムを担当する受講者は半拍遅れてベースがはいってくるとつられてしまい、裏を取る側の受講者もドラムが入ってくるとつられてしまう…。なんとか修正しようと必死に合わせる受講者だが、運指の複雑さになかなか音に乗れず、結局はうまくシンクロせずにレッスン時間終了となってしまった。
奈良氏が笑いながら、受講者たちにこう話す。
「気持ちよく終われるレッスンばかりじゃありません。できなかったら、レッスン内容を思い出しながら必死に練習して、次回リベンジする。次につながるレッスンだったと思ってください(笑)」
ある参加者がいう。
「今回は悔しさの残るレッスンでした。フレットをおさえる指を見たり運指に気を取られているとなかなか合わなかったものが、延々繰り返して疲れてきて、もうどうにでもなれと思って意識が指先から離れると、不思議にリズムが体に入ってくる。ようやくそこまできたのに、最後はドラムが入って感覚がくるってしまいました。いま自分がどこを弾いているのかさえ分からなくなりました…。実際、ライブの現場に立つとこうなるんでしょうね。そういう意味でも、非常に勉強になりました」
失敗から学ぶのも大事なレッスン--。奈良氏の実践的レッスンならではの教訓だろう。
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