2019/12/03
イベント
レッスンレポート 「ELECTRIC BASS SPILITS」Vol.6
StudioBpm.-kandaでは毎月恒例となった、奈良敏博氏(SHEENA & THE ROKKETS)によるベースレッスン「ELECTRIC BASS SPILITS」の第6弾が、11月28日に開催された。
この日のテーマは、ズバリ「小指」だ。奈良氏がいう。
「今日は小指を使う練習です。力の入りにくい指ですが、小指が自由に動くと演奏に幅が広がるんです。ちょっとキツいかもしれませんが…」
そういって、いつものように受講者たちに課題曲をあたえる。
奈良氏の教え方には特徴がある。受講者のレベルを見抜いて、それぞれに見合ったフレーズを課題とするのだ。特定の曲を題材にすることもあれば、おそらく即興で思いついたフレーズを題材にすることもある。
今回はオリジナルのフレーズが課題となった。同じコード進行ながら、上級者には左手小指を多用したフレーズを、中級者にはさほど複雑ではないものの延々と繰り返すフレーズを指示。受講者の数だけフレーズができることになる。しばらく練習を重ねさせてから最後に同時に弾かせると、見事ベースのアンサンブルが完成するというわけだ。
そうしたレッスンのなかで、ある受講生が4弦、3弦、2弦を連続で弾く際、右手の人差し指だけで弾いているのを見つけた奈良氏。
「あなたは一本の指で連続した音を鳴らす癖がありますね。ゆっくりした曲ならいいけど、これがテンポアップしてくると指が間に合わなくなる。人差し指と中指を交互に使った方が、結局は効率的なんです。それに慣れたほうがいい」
またダウンのみでピッキングする受講者を見て、
「これもアップとダウンの繰り返しじゃないと追いつけない曲が出てきます。交互にピッキングする癖をつけましょう」
とアドバイス。受講者の癖を見てとり、その矯正を施していく。それぞれにきちんと理由が語られるから、受講者は素直にうなずくしかない。
テーマは「小指」をいかに動かすか。その一環としてなのか、奈良氏は途中で「ハンマリング」を指示する。右手の指やピックで音を出すのではなく、弦を押さえている左手の指で、叩くようにして音を出す奏法だという。指で弦を叩くように弾くのだが、それを小指にも求めたわけだ。
次々と違うフレーズが課題曲として提示されるが、いずれも離れたフレットを小指で押さえるフレーズであったり、オクターブを変えて小指を駆使させるフレーズであったり、小指の届きにくいハイフレットの4弦を押さえるフレーズであったり、小刻みに小指でのハンマリングが含まれるフレーズであったり…。
受講者はもう必死だ。思わず、「あ~ッ」とか「クーッ」などの声が上がるが奈良氏はお構いなし。
やがて、おなじみのスタジオスタッフでもあるドラマー・的場誠也氏が、サポートとして参加。ドラムのフィルインを合図に、各受講者がそれぞれソロを任されるというレッスンだ。ただでさえ四苦八苦している受講者は、なおかつソロを念頭に弾いて行かなくてはならない。
それでも繰り返すうちに音がそろってきて、ドラムとの息も合ってくる。各自に任されたソロにも変化がでてきて、課題だったフレーズが一つの曲として完成していく…。
奈良氏も気分が乗ったのか、これもおなじみ、受講者の指導をそっちのけで、ベースをつかってメロディを弾き始める。ベースのアンサンブルに、ベースによるギターパートが重なり、それを的場氏のパターンを変えて次々と繰り出されるドラムソロが支えていく。
聞いているだけで思わず体が動き出してしまう白熱ぶり。顔を上気させていた受講者たちも、出来上がっていくアンサンブルに陶酔していく――。
受講者も見学者も満足させる、これぞ奈良氏の「生きたレッスン」だ。
※次回レッスン詳細はこちら
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この日のテーマは、ズバリ「小指」だ。奈良氏がいう。
「今日は小指を使う練習です。力の入りにくい指ですが、小指が自由に動くと演奏に幅が広がるんです。ちょっとキツいかもしれませんが…」
そういって、いつものように受講者たちに課題曲をあたえる。
奈良氏の教え方には特徴がある。受講者のレベルを見抜いて、それぞれに見合ったフレーズを課題とするのだ。特定の曲を題材にすることもあれば、おそらく即興で思いついたフレーズを題材にすることもある。
今回はオリジナルのフレーズが課題となった。同じコード進行ながら、上級者には左手小指を多用したフレーズを、中級者にはさほど複雑ではないものの延々と繰り返すフレーズを指示。受講者の数だけフレーズができることになる。しばらく練習を重ねさせてから最後に同時に弾かせると、見事ベースのアンサンブルが完成するというわけだ。
そうしたレッスンのなかで、ある受講生が4弦、3弦、2弦を連続で弾く際、右手の人差し指だけで弾いているのを見つけた奈良氏。
「あなたは一本の指で連続した音を鳴らす癖がありますね。ゆっくりした曲ならいいけど、これがテンポアップしてくると指が間に合わなくなる。人差し指と中指を交互に使った方が、結局は効率的なんです。それに慣れたほうがいい」
またダウンのみでピッキングする受講者を見て、
「これもアップとダウンの繰り返しじゃないと追いつけない曲が出てきます。交互にピッキングする癖をつけましょう」
とアドバイス。受講者の癖を見てとり、その矯正を施していく。それぞれにきちんと理由が語られるから、受講者は素直にうなずくしかない。
テーマは「小指」をいかに動かすか。その一環としてなのか、奈良氏は途中で「ハンマリング」を指示する。右手の指やピックで音を出すのではなく、弦を押さえている左手の指で、叩くようにして音を出す奏法だという。指で弦を叩くように弾くのだが、それを小指にも求めたわけだ。
次々と違うフレーズが課題曲として提示されるが、いずれも離れたフレットを小指で押さえるフレーズであったり、オクターブを変えて小指を駆使させるフレーズであったり、小指の届きにくいハイフレットの4弦を押さえるフレーズであったり、小刻みに小指でのハンマリングが含まれるフレーズであったり…。
受講者はもう必死だ。思わず、「あ~ッ」とか「クーッ」などの声が上がるが奈良氏はお構いなし。
やがて、おなじみのスタジオスタッフでもあるドラマー・的場誠也氏が、サポートとして参加。ドラムのフィルインを合図に、各受講者がそれぞれソロを任されるというレッスンだ。ただでさえ四苦八苦している受講者は、なおかつソロを念頭に弾いて行かなくてはならない。
それでも繰り返すうちに音がそろってきて、ドラムとの息も合ってくる。各自に任されたソロにも変化がでてきて、課題だったフレーズが一つの曲として完成していく…。
奈良氏も気分が乗ったのか、これもおなじみ、受講者の指導をそっちのけで、ベースをつかってメロディを弾き始める。ベースのアンサンブルに、ベースによるギターパートが重なり、それを的場氏のパターンを変えて次々と繰り出されるドラムソロが支えていく。
聞いているだけで思わず体が動き出してしまう白熱ぶり。顔を上気させていた受講者たちも、出来上がっていくアンサンブルに陶酔していく――。
受講者も見学者も満足させる、これぞ奈良氏の「生きたレッスン」だ。
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