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2020/03/28 イベント

レッスンレポート 「ELECTRIC BASS SPILITS」Vol.10

 毎月恒例となった、SHEENA & THE ROKKETSのベーシスト・奈良敏博氏によるレッスン「ELECTRIC BASS SPILITS」が、3月27日に開催された。
 スタートからちょうど10回目となるレッスンだ。

 今回は新型コロナで外出自粛が呼びかけられた直後とあって開催が危ぶまれたものの、奈良氏から「一人でも希望者がいれば開催します!」との心強いメッセージが寄せられた。
 その思いにこたえて、わずか2名ではあったが参加が表明され、無事レッスン開催の運びとなった。
 参加者は見学者のほかは上級者と初級者が1名ずつ。贅沢なレッスンになるのは間違いなかったが、はたしてどんな展開を生むのか、見学者も興味津々だった。

「今日はAm、Fmのコードでやっていきましょう」

 奈良氏の指示に従って、初級者のAさんには1、2弦5~12フレットまで徐々に音階を上げていく基本フレーズが指示された。一方、上級者のBさんには、そのフレーズを複雑にしただけでなく、さらに、
「色っぽいオカズを、適当に入れてみて」
と、ちょっと乱暴とも思える指示が飛ぶ。

 これをいざ合奏してみると、途端にブルースが調和して聞こえてくるから不思議だ。これに奈良氏お得意の即興フレーズが音を厚くしていく。

 しばらく続けたあと、奈良氏がドラムの参加を促す。
 今回は、StudioBpmスタッフでドラマーの山口氏が初参加。同氏の志向する音楽ジャンルがそうなのか、やや抑えめのリムショットを多用したホネっぽいリズムが、どこか都会的な洗練された印象で刻まれていく。
 すると、受講者2人もそのニュアンスを感じ取ってか、当初の合奏とは違って抑制の効いたアンサンブルへと変化していった。

 繰りかえし同じフレーズをつづけていくうちに、初級のAさんがリズムの安定を欠きはじめる。するとそれまでオカズのバリュエーションに熱中していた上級者Bさんが、Aさんをフォローするように基本リズムを弾き始める。

 さらにフレーズが続き、ときに単調になり始めると、すかさず奈良氏がひときわ盛り上がるソロを披露。それに刺激されて山口氏も、多彩なドラムワークで盛り上げていく。
 レッスンとはいえ、しっかりとセッションが出来上がっていた。

 ここで奈良氏がワンポイントアドバイス。それが心に沁みるのだ。
「自分のためだけに弾いてちゃだめですよ。誰かのために弾くーーそれが大事なんです。誰かを思い浮かべて弾いて下さい」
 受講者のみならず、参加者一同、背筋が伸びる思いだったはずだ。

 最後に奈良氏が、やはりシンプルなフレーズを指示する。「ララソラ」→「1小節分のソロ」を交互に繰り返すという内容だ。奈良氏はいう。
「単純なコード進行だけ決めておけば、その分アドリブの幅が広がる。そのほうが即興で楽しめますよ」

 ここでドラムの山口氏が退場。かわって、おなじくスタジオスタッフで、かつドラムテックの的場氏が登場する。
「こんどは短く所定のフレーズを弾いてアドリブ。これをAさん、Bさん、的場さんの順番で交互に繰り返していきます」
 
 いざアンサンブルスタート。
 最初はAさん、Bさんとも基本に忠実に、ソロパートもおとなしい。それではつまらないと、奈良氏がギターソロのようなベースラインをかぶせてくる。応じて的場氏もメリハリの効いたソロを展開。
 それに後押しされたのか、初級者Aさんが基本フレーズをアレンジしたり、大胆にもスラップ風の小技を披露する。そうなると上級者Bさんも黙っていられなくなったのか、ド派手なスラップ奏法を見せつける。
 
 こうなると、もうベースバトルだ。
 Aさんも、記憶を頼りに奈良氏やBさんのフレーズをまねてみせるのだが、どうしてもリズムが狂ったり、音程を外してしまう。するとBさんが、そのAさんのミスを忠実になぞってみたり、続く的場氏もシンバルだけでそのミスを再現してみたり…。反撃に出たいAさんが起死回生の和音弾き。それが見事にハマって、他のメンバーが笑顔になって…。

 これぞセッション! 音楽を奏でているだけなのに、ふざけあい、助け合い、会話をしているのが、傍で見ていて明らかなのだ。

 奈良氏が最後にこうまとめる。
「Aさんの演奏は、ナイスチャレンジ! たくさん弾いているうちに、このコードでこの音は使っちゃいけないんだ、って知るんです。音楽にミスなんてないんです。リズムが狂おうが、音程を外そうが、それもふくめて音楽なんです」


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